αJuno-2から取り外した30年前の電解コンデンサの劣化具合を調べてみた

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先日、電解コンデンサを交換したαJuno-2の音が「良くなった気がする」と書きましたが、逆に言うと交換前の音は悪かったのでしょうか。

電解コンデンサは経年劣化します。寿命は温度に依存しますが、10年かそこら、とも聞きます。
劣化具合は、容量の減少ではなく「ESR(等価直列抵抗)の増大」という形で現れるそうです。

ニチコンの資料から、ESRに関する部分を引用します。

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ESRの値は低いほうが良いとされていますが、値は電解コンデンサの容量や耐圧によって異なります(いずれも大きいほうが低い)。

ESRがきちんと測定できる容量計は高価ですが、マイコンを使った簡易型の測定器がAmazonマーケットプレイスから入手できます。
「LCR-T4H」という型番のもので、ググるとたくさんの人が入手して試しているのが分かります。
880円でしたので、私も購入してみました。

これを使って、αJuno-2から取り外した電解コンデンサの容量とESRを測定した結果を以下に示します。
表の左側が測定値、右側が定格値です。
また、青のセルは無極性タイプで、黄色のセルは今回新品で購入したもの(間違って多めに買ってしまったので余っていました)です。

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新品は22μFしかないのですが、ESRは同じ容量の古いコンデンサに比べて1/2程度の値になっています。

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新品を除くデータを、横軸に容量、縦軸にESRをとって両対数グラフにしてみました。

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きれいに反比例関係になっていますが、この反比例関係が新品でも成り立つとすると、22μFのESRが2倍になっていることから考えて、おそらく他の容量のコンデンサも、新品の2倍程度のESRになっているのではないかと思われます。

αJuno-2の回路では、コーラスも含めるとカップリングコンデンサを5回通過していますので、少なくとも出力が微妙に低下するという影響はあったと思われます。

一方、容量についてはほとんどのコンデンサが定格値を上回っており、劣化はほぼありませんでした。
電源に使われていた大容量のコンデンサはESRも低いので、電源系については交換の必要はなかったかもしれません。

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