VRA8-UのためのMIDI入力+PWMオーディオ出力シールドを作成

先日、Arduinoで動くシンセサイザーVRA8-Uの話を書きましたが、このシンセサイザーは取っておきたいので、ブレッドボード上で組んでいた回路をユニバーサル基板を使ったシールドにしてみました。

MIDI部分も含めた回路は以下のとおりです。
どうということはないものですが、初めてKiCADを使ってみたので記念に置いておきます。
なお、RXの結線はスイッチでオン・オフできるようにしておかないと、スケッチの書き込みができなくなるという影響があるのですが、写真の実装では省略しています。

KiCADの入門は以下の記事が参考になりました。

【KiCad】回路図を作成する方法を紹介!
KiCadでは回路図を作成する為に、Eeschemaというツールが用意されています。この回路図エディタの使用方法について、作業画面のキャプチャを貼り付けて分かりやすく紹介をしていますので、ぜひ参考にしてみてください。

ちなみにパーツは秋月電子で入手できるものばかりです。(写真のユニバーサル基板はaliexpressで購入しましたが、若干デザインは異なるものの、Arduinoのユニバーサル基板は秋月でも販売されています。)
MIDI入力のDIN5ソケットはピンが太くてユニバーサル基板の穴を通らないので、ヤスリで少し削って細くしました…。

◆パーツリスト

裏側の配線は下図のようになっています。

ところで、MIDI入力に使っているフォトカプラTLP785はデジタル出力ではなく、MIDI規格上は推奨されないもののようです。
私の手元ではとりあえず動作していますが、接続するMIDIデバイスとの相性やパーツの個体差などで問題が出る可能性もあるかもしれません。また、この出力をMIDI Thruで他のデバイスへ送るのはやめたほうが良さそうです。

秋月電子のサイトで見たカタログスペック的には、伝搬遅延も立ち上がり時間・立ち下がり時間も2~3μsecで問題ないのかなあと思っていたのですが、このタイプのフォトカプラをこのように使うと、デジタル信号に対して使うと立ち上がりと立ち下がりで遅延時間が違うため、パルスの幅が入力とは異なってきてしまい、通信エラーの原因となるそうです。
こちらの記事が詳しいです。

汎用 4 ピンフォトカプラを使った MIDI 入力
Jaku's drawers

上の回路図でTL785の4番ピンにつながっている抵抗の値が大きすぎると遅延時間の違いが大きくなり、逆に小さすぎると0レベルが高くなるそうです。
データシートを見ると、グラフの左端が抵抗値1KΩですが、このときt_onが1.5μsec程度なのに対してt_offは40μsec以上あります。MIDIは32150Hzなので波長31μsecですから、1KΩでは厳しそうです。

今回は抵抗を330Ωにしています。波形を見る限りでは0と1の幅が大きく異なることはなさそうです。HとLの電位差も3.6Vほど確保できています。
ただし、電源が5Vですので最大定格(コレクタ電流50mA、コレクタ損失150mW)ぎりぎりの動作です。温度が上がると許容損失が下がるので、本当はもうちょっとマージンがあったほうが(抵抗を470Ωないし680Ωと大きめの値にしたほうが)良さそうです。

波形を拡大してみるとこんな感じです。入力側の信号と重ねてみないと遅延の絶対値は分かりませんが。。。

表面実装にはなりますが、TLP2361TLP2368は特性は良さそうです。TLP2368はKORG NTS1でも使われています。

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