enchantMOONを買った訳

私がenchantMOONを買ったのは、その「手書き機能」や「ユーザーインタフェース」が気に入ったからではありません。(そもそも実物を触らないで買っていますので…出来の良し悪しで判断していません。)

手書きという作業そのものに関しては、重要だと思っています。
仕事でアイデアをまとめるときは、いつも紙と鉛筆です。
ただ、私は絵描きではなく、仕事の成果物は最終的にはPowerPointなどPC上のツールで最初から作ることがほとんどですので、手書き段階の作業を紙の代わりにコンピュータの上でやる必要性はあまり感じません。

また、ユーザーインタフェースですが、UEIは「No UI」を掲げて、新しい手書きUIを提案してきましたが、正直なところ、これにそれほど魅力は感じませんでした。
ユーザーインターフェースについては、実機をしばらく使ってから書こうと思います。

enchantMOONを買ったのは、これがAndroidでもiPhoneでもPCでもない「何か」だからです。

特定のタスクを考えれば、たぶんiPadやAndroidタブレットのほうが、トータルで見て効率よくこなせるでしょう。
私はenchantMOONを実用品として買ったのではなく、実用的でないことを織り込み済みで買いました。
実用性よりも、「他のものでない何か」であることに価値を見出したわけです。

コンピュータ好きの一人として、私も「コンピュータの新しい使い方を見出したい」という情熱を持っています。
新しい使い方を見出す有力な方法は、それまでの使い方を捨てることです。
その結果、いったん「何も出来ないコンピュータ」へ退化したように見えてしまうことは仕方ない。

ところが、iOSの登場以降、特にユーザーインタフェースに関して、違うものを提案しようという動きがあまり出てきません。
Androidには期待はしませんが、それ以降のスマホ向けFirefox OSやUbuntuなどもユーザーインタフェースを考え直そうという機運があまり感じられません。

そんな中、enchantMOONは、久しぶりに既存システムのお作法から離脱しようとしている製品だと思いました。
もちろんその先に、新しい使い方を見出せるかどうかはまだ分かりません。
単にそのチャンスがある、というだけです。

下の竹内先生のブログも同じことを言われていると思いますので、リンクを張って紹介しておきます。

一見、バカに見えることの中にこそ、チャンスがある。あなたの会社は、バカなことをやっていますか? – 竹内研究室の日記

enchantMOONに関しては、その尖り具合にお金を払ったようなものなので、アップデートを重ねてどんどん尖っていって欲しいですね。

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