前回はボコーダーのミニマムな実装を紹介しましたが、これをさらに機能強化したNTS-1 mk2用のボコーダーをリリースしました。無料(寄付歓迎)です。ダウンロードは以下から:
この高機能版では、以下の点を強化しています:
オシレータ部
・5音パラフォニック(NTS-1のグローバル設定でレガートを0に設定する必要あり)
・鋸波/方形波/PWMの連続的な波形変化
・リリースタイムの設定が可能
・ピッチベンダ対応
・LFO対応(Shapeパラメータのみ)
フィルタ部
・8バンド、10バンド、16バンド、各4Poleと2Poleの選択可
・おまけでロボットボイスフィルタ2種追加
・BPF帯域より上の帯域を抽出するHPFを追加
・BPF帯域より下の帯域をカットするHPFを追加
・BPFの帯域の間隔を広げたり狭めるパラメータを追加
・高域を強調するパラメータを追加
・LFO対応(Shapeパラメータのみ)
その他
・背景ノイズ抑制のためのスレッショルド値を設定可能
・MIDIノートイベントのベロシティのオンオフ設定が可能
10バンドのフィルタはVP330、16バンドのフィルタはVC10を参考にしています。ロボットボイスフィルタ2種は、moogのボコーダーのマニュアルに掲載されている「Space Robot」のパッチを参考にしています。さらに、フィルタとして「なし(none)」を選択することもできます。この場合は出力はオシレータの音そのものになります。
オシレータの鋸波や矩形波の倍音成分は高域ほど減衰していますので、フォルマントの周波数分布を掛け算したときにその特徴が明確になるように、高域成分をイコライザのように持ち上げて強調しています。
フィルタをnoneに設定すれば、5音パラフォニックオシレータとして使うことも可能です。ただ、リリースカーブは割と急な減衰にしているので、パッド的な音を出すにはあまり向いていません。
下図はこのボコーダーのブロック図です。
なお当初はNTS-3に移植して、両方一緒にリリースしようと思っていたのですが、ユーザーインタフェース含め考慮が必要なことが結構あるので、NTS-3版は別途のリリースにします。
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